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大戸屋TOB [株主優待]

コロワイドによる大戸屋ホールディングスへのTOBが成立。元々筆頭株主であったコロワイドの持ち株比率が50%近くになり、役員人事権をほぼ掌握することに。近々臨時株主総会が招集され、6月の定期株主総会で承認された11人の役員のうち10人が解任され、新たにコロワイドが送り込む7人の取締役が就任する運びに。その中に創業者の息子三森智仁氏が含まれる。

コロワイドの強引な敵対的TOBに見えるが、そもそもの発端は創業者の三森久実氏(当時会長職)が57歳で病死した2015年のお家騒動に起因する。当時、三森智仁氏も役員だったが、2012年から社長に就いていた窪田健一氏(三森久実氏の従弟)が会長が手掛けてきた山梨県の野菜工場を採算性の観点で一方的に閉鎖。創業社長の方針を否定する行動に。翌年6月の株主総会で私も質問したが、窪田社長の回答に違和感を覚えた。大量の株式を相続した身内の遺族にとっては、創業者である前社長を否定された怨念は大きなものだったと想像される。その後三森智仁氏は大戸屋を去る。
詳細理由は承知しないが三森久実氏存命時に役員であった濵田宏明氏なども一時大戸屋を離れることとなった。窪田社長が三森久実氏の影響を排除しようとした意図は否定できない。ただし、濵田氏はその後復帰して現役員の一人。

一方で、ワンマン経営者であった三森久実氏が自身の思いを他の役員に対してしっかり共有化できていなかったことが一因という見方もできる。

いずれにせよ、現在の経営陣に反感を抱く遺族がコロワイドに大量の保有株を売却したことが今回の敵対的TOBにつながった。三森智仁氏としては、現在社長の窪田健一氏を追い出して自身が役員の座に就くわけで、留飲を下げる思いであろう。

創業家社長の会社経営の手法や事業継承のありかたについて一石を投じる事案。

ペッパーフードサービスの一ノ瀬社長も80歳を超えるご高齢。ご子息も役員であり、厳しい現状をどう乗り越えて将来につなげていくのか興味津々。
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