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新宿末廣亭九月中席八日目(2020年) [新宿末廣亭]

新宿末廣亭のHPの告知で、9月19日から当面の間お菓子を含めて食事禁止となることを知り、急遽新宿末廣亭へ。お弁当のない寄席なんてお団子のない月見と一緒で興ざめです。
イベントなどの入場制限緩和によって、現在の前後左右空席のいわゆる市松模様制限を撤廃、密が予想されるので感染拡大予防の観点での決定らしいです。
お弁当を楽しみに寄席に来ている常連客も多いので、平日昼の部はかえって客数が減ってしまうのでは?と心配しています。私もこの日を最後に当面の間は末廣亭をお休みします。

【昼の部】
前座は金原亭乃香の子褒め。11月上席で二つ目昇進らしいですが、この日の高座は棒読みに近くてまだまだ。この先心配です。

桃月庵白浪のたらちねで幕開け。
プログラムでは江戸家小猫でしたが、出囃子でリンゴの唄が流れたのであれっと思ったら代演で丸山おさむ登場。昭和の懐かしい歌謡曲の物まねから最後は十八番の田中角栄物まねまで。
林家きく麿の新作落語 お餅。結構ウケていました。老人二人の「お餅は好きですか?」の会話。繰り返しの面白さでしょうか。
柳家甚語楼の不精床。きれいなお話ではありません。
俗曲の小菊は三味線で都都逸。
三遊亭万窓は紀州。
三遊亭文蔵は目薬。夫婦ともに字が読めず、目薬の処方が分からない。仮名で書いてあるのでたどたどしく読んでいくと、めじりのめが女となっていた。ひらがなの「め」は「女」の崩し字なので。「耳かき一杯の粉薬を目じりに付けて」が正解のところ、「耳かき一杯を女の尻に付けて」と解釈してしまった。目を患っている主人が、おかみさんのお尻に耳かきで粉薬を付けようとするが、なかなかうまくいかない。そのうちにおかみさんの下腹に力が入って思わずおならが…その勢いで粉薬が主人の目に。「この目薬、やっぱりこうやって使うんだ。」何度聞いても笑えるお話です。
ここで中入り換気休憩

いつも元気印の三増紋之助の曲ごまで再開。
春風亭正朝は辻占の独楽。
松旭斉美登・美智の奇術。いつものキャンディーが出る手品でミルキーを客席へ。
柳家小さん 花筏。 提灯屋の主人のところへ相撲の親方がお願い事にやってくる。銚子で興行相撲を請け負い前金も受け取ったが、看板大関の花筏が病を患って連れて行けそうにない。花筏なしでは興行は成り立たず前金を返さなければならないが既に使い切ってしまった。提灯屋の主人は花筏に体格も顔立ちも似ているということで、この際替え玉になってほしい。それなりの手当ても支給し、銚子では飲み食い自由ということ、顔見世だけで相撲は取らなくてよいということで提灯屋の主人は了承。 いざ興業が始まると。大盛況で提灯屋の主人はただ土俵脇に座っているだけで宿屋で飲み食いと大満足。ところが漁師の息子の素人力士千鳥ヶ浜がプロの力士を相手に連戦連勝。千秋楽に花筏と千鳥ヶ浜の取組みが組まれることに。そんな話は聞いていないと焦る提灯屋の主人。親方は両手を前に出して目をつぶって前に出て、指先が相手に触れた瞬間にわざと尻もちをついて負ければよい。素人相手に花を持たせたと勝手に解釈してくれるから…となだめすかす。 一方、千鳥ヶ浜の父親は、息子を説教。これまでは相手がわざと力を抜いて勝たせてもらったことが分からないのか。明日は大関が本気を出せば腕の一本や二本。いや、命を取られて不思議ではない。お前は勘当だ! 千秋楽当日、土俵に上がった提灯屋の主人、目をつぶってという親方の指示も、怖いもの見たさについ目を開けると千鳥ヶ浜の巨体。これは命を落とすかもしれないと思わず念仏を唱え始めた。南無阿弥陀仏、南阿弥陀仏…一方、大関の恐ろしさに耐えながら土俵に上がった千鳥ヶ浜。大関が自分のために念仏を唱えていると思い込み、命を落とす恐怖に怯え、こちらも念仏。両者念仏という異様な光景の中、行事の軍配が返った。提灯屋の主人が両手を出して前に出ると、偶然にも恐怖で固まっていた千鳥ヶ浜の目に入り、千鳥ヶ浜はそのまま尻もち。提灯屋の主人が自分で倒れる間がなかった。大一番に興奮の客が「さすが大関の張り手、見事なものだ。」 提灯屋の主人がひとこと「(提灯を)張るのは得意なもので。」
ここで中入り休憩です。

柳家小八 もぐら泥
すず風にゃん子金魚の漫才。新しいネタはありませんでしたが金魚の被り物は毎度おなじみの手作りでシャインマスカットケーキ。このコロナのご時世でも金魚に渡すバナナを用意している常連のお客様には脱帽。しかもコロナ対策で包まれた3本入りをそのままで渡していました。コロナ前なら裸で1本でした。
隅田川馬風は粗忽長屋。
柳家小里ん 大神宮 いつも吉原の酔客の世間話を聞かされている浅草の磯部大神宮。そんなに面白そうなところなら一度遊びに行ってみようと阿弥陀如来を誘って吉原へ。さんざん芸者遊びをしてから、(会計のことを吉原ではおつとめという)阿弥陀如来に店の若い衆が「おつとめをお願いします。」阿弥陀如来、心得たとばかりに、茶碗をりんに見立てて箸でちーん!南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏… 若い衆「これはおからかいで。お払いをお願いします。」 阿弥陀如来「お祓いなら大神宮の方へ。」
鏡味仙三郎社中の太神楽。この日は仙四郎と千成のお二人。仙四郎の口上が心地よい。
昼の部主任は桃月庵白酒の佐々木裁き。街中でお白洲ごっこをしている子供たちをたまたま身を隠して街中を見回っていた町奉行佐々木信濃守、よく見ていると、奉行役の子供が罪人役の二人に何故争いごとになったのか尋ねている。物知りだというから一から十までつが揃っているか尋ねたが、即答できなかったから何も知らないではないかと喧嘩になったとのこと。「さような些細なことで喧嘩とはけしからん。今回は大目に見るが以後気を付けるように。」「ではお奉行様にお尋ねします。一から十までつは揃っていますか。」「揃っておる。」「一つ二つと数えますが十つとは申しません。」「元々は揃っていたが盗んだやつがいるのだ。」「とおっしゃいますと。」「いつつにはつが二つあるであろう。十からつを一つ盗んだのだ。」これを見ていた佐々木信濃守、従者に奉行役の子の家に赴き父親共々奉行所に出頭するように伝えよと。
従者が奉行役の子の後を追うと桶屋に入った。訪ねると父親が「今度の町奉行の佐々木様はお忍びで街中を見回っていらっしゃる。お白洲ごっこなどど不届きな遊びをしているとお叱りを受けるぞ。」と注意していた。そこへ、「ご免、拙者町奉行佐々木信濃守の使いのものであるが、先ほど白洲ごっこをしていたのはこちらの子息か。」「十二歳になる息子の四郎吉でございます。」「父親共々町役と一緒に奉行所に出頭せよ。」 後日、父子が恐る恐る奉行所へ出頭すると、奉行自ら四郎吉に難題を出すが四郎吉は頓智を使って名答する。十五になったら取り立てるのでそれまではしっかり育てよとの奉行のありがたいお言葉。

白酒よかった。また聴きたい。


【夜の部】
前座はめくり(見出し)が前座の表示なので不詳。転失気で可もなく不可もなく。
春風亭㐂いちの金明竹のさわりの部分だけ。
代演で漫才のニックスが登場。
春風亭勢朝はいつもの大師の杵。
柳家一九は親子酒。
ここでコロナ対策の換気休憩。
ストレート松浦のジャグリング。
林家錦平は不動坊
三遊亭圓歌 最近演じることの多い「やかん圓歌バージョン」
林家正楽の紙切り
夜の部始まってからずーっと眠たかったけれど柳家小ゑんの新作落語でやっと目が覚めました。鉄道おたくを隠して結婚した男の悲劇。しっかり笑えました。
春風亭一朝は得意の喧嘩話で芝居の喧嘩。
ここで中入り休憩です。

柳家こみち 吉原に興味を持ち花魁にあこがれる姫のお話。楽しく聞きました。
笑組の漫才
蜃気楼竜玉は道灌
入船亭扇好は夢の逢瀬
マギー隆司の奇術
夜の部主任は春風亭一之輔で笠碁。一之輔の目力がすごい。そこにないものがしっかり見えていると伝わってきます。一之輔が怪談とかやったらすごく怖いかも…と思いました。
夜の部は当たり外れがしっかりしていて、◎は小ゑんとこみちと一之輔。一朝はファンなのでおまけで◎にしておきましょう。




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