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網走まで 志賀直哉著 [文学]

中学・高校の頃、短編小説が好きで、芥川龍之介・井伏鱒二・井上靖・志賀直哉などの旺文社文庫を買って読んでいました。

『網走まで』は1910年(明治43年)に発表された作品ですが、タイトルに騙されて買ってしまった一冊。網走までの紀行文かそれに近いものを期待したのに、実際は上野から宇都宮までのお話です。
日光での滞在を誘われた主人公が一人で乗り込んだ青森行の列車で、同じボックス席に座った乳飲み子を含む2人の子供を連れた若い母親の行先が網走だったというそれだけのストーリー。主人公との会話の中に、明治の時代ですから北見の国網走まで7日かかるとの母親の心配そうな声。
平成の時代になり新幹線が青森まで開通しても鉄道では網走までは17時間ほどかかります。 極力各駅停車だけで(一部区間は特急しか運行していません)行くと、今でも3日かかる遠い距離ですね。

トイレに行きたいとむずかる男の子。 宇都宮での停車時間を利用して母親がトイレに連れて行くことに。 昔は大きな駅では数分から10分以上の停車時間がありました。
主人公が私はここで降りるので、と一言声をかけると、少し驚いた様子の母親。 葉書の投函を主人公に頼みます。 投函したところで物語は終わります。 葉書の宛先を何気に見たことを説明して。

なんだか消化不良になった作品でした。
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