つぎ足しカレー

私はカレーが特別に好きなわけでもなく嫌いでもありません。これまでの人生を振り返ってみるとカレーライスをひたすら食べていた時期が２回ほどありました。
大学最後の1年、即ち21歳の年は、夜間から早朝にかけてフラコレ（フラクションコレクター）やポリアクリルアミドゲルを使った電気泳動の実験を行うことが多く、朝8時に開く学食で安いけれどさほど美味しくもないカレーライスを食べてから御影通り沿いに東大路を渡って徒歩数分のアパートに帰ったものです。その前に実験が終了したときは、小一時間で銀閣寺の脇から如意ヶ嶽（大文字山）に登って時間調整をしてからカレーを食べて帰りました。

20代を過ごした某食品メーカーの研究所では、出張などでの不在時を除き、社員食堂でほぼ毎回カレーライスを食べていて、社食のおばさまたちにはカレーライスしか食べられない人と思いこまれていたようで、ある日外国からのお客様と数人でランチをする機会があり、特別メニューが用意されたとき、わざわざ「カレーしか食べられないのじゃないの？」と心配して席まで尋ねに来てくれたこともありました。

どちらも美味しくカレーライスをいただいていたわけではなく、値段も安く、食欲がなくてもカレーライスならお腹に入るからといった感じで食べていました。学生時代いくら若くても早朝から食欲はありませんし、研究所では商品開発のテイスティングで口が疲れ切っていたことが多かったです。

外出自粛で自宅に引きこもりがちな今日この頃、カレーを作りおきしておけば、カレーライス、カレーうどん、カレーパスタなどなど今一つ食欲がなくても、作るのが面倒な時でも食事には困りません。

そんなわけで大鍋に大量のカレーを作り置きして、減ってきたら、玉ねぎや鶏肉を炒めて、ルーや牛乳とかつぎ足しています。不思議なことにこれがどんどん美味しくなっていきます。毎日食べなくても1日1回火を通せば大丈夫。
4月24日に作り始めて既に2週間、半年くらい続けたいものですが、緊急事態宣言解消で旅に出られるようになるとカレーのつぎ足しも終了予定です。